漢方薬の特長について


漢方薬とは・・・

 よく生薬製剤を総称して漢方薬と勘違いされている方がおられますが、実はそうではありません。

 漢方薬は中国古典の治療理論に従って決められた法則ないし規則にもとづいて生薬の配剤を組立てて処方を構成したもので、そこには独自の医学体系があります。たとえば人間の体を調節する「気」「血」「水」の3つの要素のありようや、「陰」「陽」、また「虚」「実」などの視点から疾病を引き起こす原因を探り、その治療法を考察するのです。

 この病状の見立てをとくに「証」と呼びます。用いられる生薬はすべて漢方医学的に効能上の分類がなされていて、処方にあたっては厳格なルールにもとづいて配合や組み合わせを考えるのです。

 それにたいして生薬を単独で用いたり、漢方医学の処方ルールを持たず経験則などでつくられた生薬製剤は民間薬として分類され、これらは漢方薬ではありません。例をあげれば「センナの葉」「実母散」「建胃散」「救命丸」など、いづれも生薬製剤ではあっても漢方薬ではないのです。

 

 

   ※ ダイエット食品を漢方薬と称して通信販売している業者の広告チラシを

     時々目にしますが、成分として使用しているとされるギムネマ茶やガル

     シニア、キトサン等は漢方でも何でもなくただの健康食品です。またそ

     れら商品の発売元が○○漢方研究所などを名乗っていることがあります

     が大半は漢方とは関係のない会社のようです。単なる健康食品を漢方薬

     と誤認させるかのような営業手法は、漢方薬に対する一般消費者の誤解

     を招くことがあり、私には好ましい営業姿勢とは思えません。

 

   ※ 「漢方薬」は薬というその名のように厚生労働省の認可を受けた正式な

     医薬品でもあります。専門家に相談のうえ症状や体質に合わせて正しく

     服用しましょう。

漢方薬の特徴

 

キス顆粒の漢方薬

 


1. 体質改善的にはたらく
2. 副作用が少なく体にやさしい
3. 病名が確定されていなくても治療ができる

 先にも若干ふれたように漢方では疾病の原因を体を維持するための各種要素(気・血・水など)のバランスの異常と考えて対処するのが基本です。もちろん症状によっては病邪の侵入なども考慮されます。(風邪や食中毒など)

 漢方薬が体質改善にも良いといわれるのは、このように根治療法的な考え方を最初から含んでいるからなのです。加えて漢方の一つの処方には数種~数十種の生薬が用いられており、ひとつの生薬だけでも通常は複数の有効成分が抽出確認されていることから、一処方だけでも膨大な種類の有効成分がそれぞれ単独ないしは協調しながら働いているわけです。

 西洋医学では化学的に合成された単一の成分で薬効を求めるのが普通なので、効能や作用の幅広さという点では漢方薬の方がはるかに有利といえるでしょう。ただ、漢方薬は即効性に弱いと言われることがありますが、絶対的にそうとは言えないものの時にそのように感じられる場合はあります。

 次に漢方薬は副作用の少ない点が大きな特長です。

 原料生薬の多くは天然の薬草類や動物生薬など、人類誕生以前からすでにこの世に存在していたものであり、一部の特殊なものを除けば一般に副作用がほとんど無く、長期連用についても安心です。

 もう一つ忘れてならない漢方の大きな特長は、病名診断が確定していなくても治療法に困らないという点です。

 一般に西洋医学ではまず病名を確定し、その病名に適応をもつ薬を処方するというプロセスがあり、もしも検査しても正常で病名も無いといった場合は、いくら本人が異常を訴えてもそれは病気としては認められず、従って治療法も原則としてありません。

 それに対して漢方医学では個別の病名ではなく「証」に基づいて治療法を考えるという違いがあります。「証」は患者の体質や現在の状態を漢方的に捉えた分類みたいなもの、あるいは一種症候群のようなものかもしれませんが、明確に病名とは異なります。ゆえに漢方では病名の確定があってもなくても「証」を見て処方決定するので、いかようの場合にも治療法に困るということはないのです。 

漢方薬と西洋薬 例え話

 ここにいつも悪さをするいたずらっ子がいたとします。

 どうにかしていたずらをやめさせなければいけません。さて、解決のためにはどうしたものでしょうか。(いたずら=病気 怪我=副作用 逆恨み=リバウンド 教育的=体質改善 と考えてみて下さい)

(1)西洋薬的解決策

 

 まず現場で一発ぶん殴る。子供はびっくりして直ちにいたずらを止めることでしょう。

 この方法ならたいていその場で解決します。手間も時間もかからず即効性がありとても効率的です。しかし子供は殴られたことで怪我をするかもしれませんし、逆恨みする可能性だってあります。それに殴られた意味を十分に理解していないので、痛みが薄れるとまた同じ悪さを繰り返すに違いありません。

 

 

(2)漢方薬的解決策

 

 なぜいたずらをしてはいけないのかを納得いくまで何度も話して聞かせる。

 最初のうちは騒いで話しなど聞こうとしないかもしれませんが、やさしく繰り返し話すことでやがて心が通じ、いたずらはいけないこととはっきり理解し反省するので、以後はもう同じ悪さはしなくなるでしょう。手間と時間はかかるでしょうが、こちらの方法の方がより教育的で理にかなうのではないでしょうか。

純正堂漢方薬局からのお願い

 純正堂漢方薬局では、お求めいただく漢方薬の効能効果を最大限に引き出せるよう、問診や説明に十分な時間をかけるよう努めております。つきましては、特に初回のご相談の際には時間的にやや余裕をみてお越し下さいますようお願い申し上げます。(予約は必要ありません)